人形ネメシスへの挑戦 ~構築編~
人形について書こうと思い立ちました。人形について、強いのかどうかわからないというのが皆さんの率直な感想かと思います。記事を読んで頂いて、人形理解の一助になればなぁという気持ちでまとめてみました。一応、人形一本でグラマスになったのでそこで考えたことをまとめます。今回は構築についてです。構築という揺るがない基礎を築いて、始めてプレイや相性などを細部まで詰めることが出来るという持論があるためです。目新しいことやブレイクスルーはありませんが、お付き合いください。
構築について
新しいテーマデッキを組む時、デッキの組み方は人それぞれだと思いますが自分の組み方で順を追って解説します。
- 強いカード、強いムーブを作る関連カードで埋める
これらは疑いなく入ると思います。すり替わりも入れてもいいと思うけど、ロケットナックルor肉球砲+パペットルームの形もあり得るので保留。
・強いムーブ…3tシルヴァのみ(ゴブリン+フラワードール+シルヴァ)
AFネメシスのように、魔鉄熱狂ハメアナアナという決まればだいたい王手みたいなレベルの強さではないところが人形のパワーの無さを少し感じさせるところです。しかし、3tシルヴァが決まれば無理に攻める必要もなく、ただ処理に専念していればよいというのは強みではあると思います。重ね掛けに成功すればロングゲームでそのまま勝てるのも特徴です。
この3tシルヴァのムーブについて
- 弾…3コストを支払うので、当然3コスト相当のフォロワーを弾にするのが最もバリューが高い。先攻では3/2/3を、後攻では3/3/2を飛ばすことで盤面を強く保つことができる。また、ラストワード持ちでも有効に使える。(採用候補…オートマタナイト、狭間の悪魔、熱狂の機兵士、ジャンク、純真の歌い手)
- ハンド消費…当然1枚消費なので、3tで先攻3枚・後攻4枚になる。4,5tとコスト通りのカードを引くのは稀なので、どちらかのターンに2枚プレイしハンドは先細りしていく。もちろん4,5,6コストを厚く取って順に投げていくのもありだが、基本は取れる択が狭まっていくので、ハンド補充のカードを組み込みたい。
候補として以下6種かなと思います。流石に静謐なる歯車、天なる大河、ベルエンジェルは省きました。
また、この他にアナライズAFを利用するという手段があります。この場合、魔鉄イカロス等々2コストフォロワー選定にも関わってくるので、デッキテーマと環境を把握してから決定していきます。
- デッキプランの主眼をどこに置くか(アグロ、ミッド、コントロール)
主に対峙する環境デッキ、核となるカード、カードプールとの兼ね合いによって決まると考えています。
・コントロール…回復、AoE、大型フォロワーが少ないので無しの方向。マグナレガシーやプロトバハムートは楽しそうだが、環境の中に聖獅子がいるのでどのみち厳しい。
・アグロ…8,9コストを6枚積んでいるのでそもそもアグロと呼べない。
↓
ということで、ミッドレンジでスタートをしていきます。もちろん体裁はミッドですが、前に寄せるか後ろに寄せるかあるのでそこを考えていきます。
- 環境デッキ及び勝利プランの把握
(シャドログより 7/11現在の環境)
新環境もそろそろ2週間経ち、環境も固まったかと思います。天狐がナーフされるなんて甘い幻想は捨てて取り組んでいきます。(すみません、サイゲの仕事がこんなに早いとは…)上から天狐or聖獅子ビショップ、ミッドロイヤル、人形orAFネメシス、アグロorミッドエルフが環境入りしています。これらの相性と勝利プラン、グラマスまで使い込んだ主観を大雑把に述べていきます。長いので読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
A天狐ビショップ(無理~不利)(ハイブリッド:微不利)
天狐の社で無限のアドを取ってきます。対処は2択、無視して削りきるか、天狐を破壊するかですが実質前者の1択です。熾天使の剣で止められるのなら、そもそもこのデッキは台頭していません。4コストの代物を6コストで破壊するその2ターンのラグで、盤面をぐちゃぐちゃにされます。デッキの上振れ値が高い反面、天狐や白牙などのキーカードが引けないとパワーが下がる下振れ値も高いはず?なので、そこをしっかり刈り取ることを目指します。
・勝利プラン… 序盤に横展開を意識、ある程度削ったのち完全に回復される前にノアで押し込む。(大抵ノア2枚を要求される)
・キーカード… ノア2枚、ハーメルン、ロココ、1コストフォロワー、ハーメルン
B聖獅子ビショップ(五分~微有利)(ハイブリッド:有利)
多分有利に分類してもいいのですけど控えめにしました。カードを順に切っていき、横展開をしていけば勝てます。獅子の性質上、盤面を埋めつつ処理を強要してくるのですがロココや潜伏シルヴァで盤面ロックをかけられて非常に相性がいいです。また、アミュレットを2枚置いている場合、相手は獅子3体でしか処理できないので横展開を行うのも一つの手段です。先攻でブンされなければ、という印象。
・勝利プラン… 序盤に横展開を意識、ロボミ裏や潜伏シルヴァ、ロココを使いそのままオーキス・ノアへ繋げる
・キーカード… 潜伏シルヴァ、リトルパペッター・ロココ、シロウ、ハーメルン、パラケルスス
Cミッドレンジロイヤル(無理)(ハイブリッド:無理~不利)
後攻を引いた瞬間、じゃんけんで負けたような錯覚をおぼえます。7t以降、アーサー、スカイフォートレス、ドラゴンナイツとバリューの高いカードで毎ターン守護と盤面制圧をかけてきます。リーサルはかけられず、盤面に付き合うとリソース差でじわじわと負けに近づきやられます。バジリスという手段はありますが、初見殺しでしか刺さらない上にこちらのEPは3つしかないのに、相手は9枚持ち合わせています。焼石に水です。ノアに同時に投げることのできるエンシェントAF、闇の剣があればなんとかでしょうか…
(※最近勝てるようになりました、ドロソを厚く取り手札の処理の選択肢を揃えることで微不利~五分ほどになっています。)
・勝利プラン… 先攻を引く、事故ってくれることを祈る、狭間の悪魔の闇の剣で守護を突破orエンシェントAFを用いて守護を突破する
・キーカード… 外界からの侵略者バジリス、狭間の悪魔、エンシェントAF
D人形ネメシス(構築による)(ハイブリッド:不利)
最近見なくなりました、諦めないで。基本的にはテクニックのぶつけ合いです。シロウをオーキス・ノアのターンに被せて妨害したり、相手の人形を上手く消費させるように立ち回ったりします。後攻は決意のオーキスを目指し、先攻はロボミと決意のオーキスにカウンターするため進化を温存するというような立ち回りになります。また、後攻はバジリスを通すことができると勝利にかなり近づきます。ハイブリッドの場合、ヘルス1を多く採用しているので負けます。
・勝利プラン…人形の確保、リーサルを先に通すか狂わせるかの駆け引き
・キーカード…シロウ、決意のオーキス、外界からの侵略者バジリス、すり替わり
E AFネメシス(五分~微有利)(ハイブリッド:不明)
あまりランクマッチで当たらなかったので、詳しく書くことができません。想像でものを言わせて頂くと、アクセラシルヴァが相当嫌なはずです。レディ軸のリーサルターンでも早くて8~9tなので五分、サフィラは10tなので微有利と評価させて頂きました。
・勝利プラン…盤面優位は取れないので、必ずアクセラシルヴァを用いて顔を詰める立ち回りを意識する。
・キーカード…アクセラシルヴァ、
Fアグロエルフ(有利)(ハイブリッド:無理~不利)
トップランカーさんがよく使っているのを目にします。人形は有利がついており、その気になれば人形遣いの糸を採用するなどメタレベルを上げることも可能です。8tまで持ちこたえて、決意のオーキスを出すことに成功した瞬間勝ちがほぼ確定します。心無き決闘で、お得意のイピリアを妨害出来るのも最高です。対照的に決闘でAFを組み込んでしまっている場合、勝つのがほぼ不可能になってしまいます。
・勝利プラン…決意のオーキスを目指す、8tまでにハンドに人形が2枚貯められるような立ち回りを意識する。2~3tに1枚は人形を加えることのできるカードをプレイすることを意識する。(先攻ブン回りの水虫ビートを止められる唯一の対処法)
・キーカード…決意のオーキス、パラケルスス、神秘の番人スピネ、シロウ、外界からの侵略者バジリス、熾天使の剣、人形遣いの糸、心無き決闘etc.…
Gミッドレンジエルフ(不利~五分)(ハイブリッド:不利)
厄介な相手です。アグロエルフと序盤の動きが似通っているので読み外します。自分の中でこれといった攻略法がまだ確立されていません。ホワイトヴァナラを先に走られると、返すのが苦しく実質負けまで追い込まれるので早めに勝負を決め切りたいという印象です。
・勝利プラン…猶予を与えず、早めの盤面形成を行い詰め切る
・キーカード…シロウ、リトルパペッター・ロココ、パラケルスス
長くなりましたが、以上の勝利プランから要求されていることをまとめると、
苦戦を強いられる対面では必ず序盤に隙があり(序盤しかない)、その序盤でフォロワーを外すことなくプレイしリーサル近くまで相手の体力を減らすことが要求されているということです。
- 2コスト及び低コストフォロワーの選定
選んでいくのですが、最初に補足として横展開について理解してもらいたいと思います。
・ネメシスにおける横展開(アグロムーブ)
AFネメシスを使っている時から、アグロムーブという言葉で通っていました。簡潔に述べますと、1,3,4tの中で、1コストフォロワーを用いて通常のプレイより1体多くフォロワーを出すことです。
(例:魔鉄熱狂ハメアナアナ、魔鉄ミリアムアナ熱狂アナ、魔鉄熱狂ミリアムアナアナ)
では、この動きに関与できるカードは何かといいますと、以下7種です。
ゴブリン、1コストAF(アナライズ、エンシェント)、ハーメルン、ミリアム、熱狂の機兵士、イカロス
要するにゴブリンを利用するか、1コストAFを利用するかです。
A:ゴブリン
こちらは1tに投げれた時に3点ほど削り取ってくれます。3tにハーメルンを利用して、ハメ+ゴブリン・3コストフォロワー+ゴブリンも悪くないですが1点ほど削ったら処理される可能性が高く、バリューとしては1tゴブリンに劣ります。
メリット :単体で仕事をするので、難易度が低い(成功率が高い)。
デメリット:後攻の場合投げることのできる対面が限定される(ロイヤルのベアなど)。最序盤以外ほとんど仕事をしないので、腐りやすい。
B:1AF(アナライズ・エンシェント)
アナライズルートに入れた場合強力です。ミリアムやイカロスを用いながら、横に展開しつつ処理されようとドロー効果もついているのでノーダメージのままゲームを運ぶことが可能です。また、スピネとのシナジーがあるのも特徴です。
メリット :ハンド枯渇問題の解消を担うことができる、決めることができればそれだけで相手によってはゲームをほぼ勝ち確定のレベルまで削り取れる
デメリット:ネメシス・エルフ対面が絶望的になる。埋める引くという2枚一組なので、単体で仕事をせず事故の不安を抱える。構築の枠を大幅にとってしまう。埋めすぎると、デッキが増えすぎてかえってキーカードの到達が困難になってしまう。ラストワードが消滅によって無意味になる。
ここまで長々と書きましたが、結論としてはゴブリンを選んだ方がいいです。AFはデメリットが多すぎました。先人の知恵としてやめた方がいいです、ネメシス2000勝まで使いこんで熟知した私が言うんです、罠でした。
ということで、以下のようになります。
(後述するロココの説明より、2コストを14枚にしないのかと突っ込まれそうですが枠がないと個人的に判断しました。ただ、そこは調整箇所なので最後のテンプレ1にて各自納得のいく形への発展をお願いします。)
また、毎回先攻取ってゴブリン引けるわけがない、安定した立ち回りをしたいんだ!という人もいるかと思います。ワイトもそう思います、こちらになります。
・ロココ…2コストで出せる人形版異界転送と捉えてください。中盤・終盤に役割が期待されるため、積極的に序盤で使いたくありません。
→2枚を省いて考慮、2コスト14枚採用へ
・フラワードール…序・中・終盤のどこでも役に立つ、被っても無理なく使えるので3枚。シルヴァとの相性の良さ。
・熊人形の少女…人形生成の2コスト。2tでは能力無し、中盤・終盤の利用を考慮し2枚。フラワードールより顔の打点を重視するなら、枚数入れ替え有。
このようになるのが、手堅い考えではないでしょうか。
- 残り枚数の決定(ドローソース、人形の確保、メタカードの投入)
残り10枚の中にこれらの要素を詰めていきます。採用候補としては、以下のカード。
(あくまで自分選出の候補です、一度自身でカード一覧をご確認ください)
これらですが、前述の環境把握より前寄せのミッドレンジの方向性とシルヴァの弾の話より、盤面に圧の出る3コストフォロワーとしてオートマタナイトが、強力な人形生成の除去としてすり替わりが迷いなく採用されます。そうすると、このようになります。
この36枚及び35枚がこの記事の中で最も伝えたいことでした。一から組み上げるのと、35,6枚スタート、残りのドロソや人形カードを選ぶだけでは労力が大きく違ってきます。
勿論、これは私個人の考えの結果なので意見の食い違いは出るかと思います。例えばシルヴァのポテンシャル特化に注力すればアグロネメシスに発展していきます。けれど、人形ってどうなの?って人に対してまずはベーシックなものを、という気持ちで書かせて頂きました。このテンプレからスタートし、不満を覚えたカードや枚数を調整していけばいいと思います。
(追記:ナーフが発表されましたが、弱体化したものの序盤に攻めなければいけないという課題は変わっておりません。煮詰まった先にオートマタナイトやすり替わりが代替カードに変わる可能性はありますが基本的にはこの2種で大丈夫なはずです。)
最後にこのテンプレの完成例を2つ載せておきます。(ちゃんと掲載許可貰いました)
かえで 🍁くろごはん|Felicë @I_am_YUKI_N氏の構築になります。グラマス到達時は自分で唸りながら組んだものを使っていましたが、40枚まったく一緒でした。かえでさんにどこかで影響受けたかな?と思いつつ、ゴブリンを採用するなら今でもこの40枚変えることが出来ないと思うくらいには完成されています。
こちらは、ぼーいん@in_tcg氏が配信で使われていたものになります。また、ぼーいん氏は、天使の泉2枚という枠組みのアイデアをちくわ氏@ChikuwaS_Vから頂いたそうです。このドローソースの配分調整がかなり効いています。欲を言えば大型除去・大型守護・人形供給ができる万能カード、心無き決闘をどこか削って入れたいのですがこのままでも十分完成されています。グラマス後メインで使おうと思うほど強力で、RAGE持ち込み候補の一つにしてもいいのではないかというポテンシャルです。是非使ってみてください。
まとまりのない長文を読んでくださってありがとうございました。ナーフ来て賞味期限か!?と焦りましたが、冷静に考えたら不利な相手が弱体化しただけでした。環境の変化によって、新たなクラスが台頭しプランが大幅にずれるようであれば追加で修正記事書きます。(おそらくGキマと人形ネメ、大きくプランは変わらないはず)
気分が乗れば、マリガン記事や対面の詳細な分岐点、100戦統計とかやってみようかなぁ…